コラム
COLUMN
2025.03.19
採用サイトとは、就職する学生や転職を検討する求職者にとって大切な、求人応募への入り口です。多くの企業で人材難が課題とされる昨今、企業が採用サイトを作成することは不可欠といえます。本記事では、本格的に採用サイトを強化したい企業向けに、作成の必要性や採用サイトに掲載するコンテンツ例をご紹介します。
採用サイトとは、学生や求職者を募る企業のPRページです。企業全体の情報を発信するコーポレート(企業)サイトとは、運用する目的が異なります。採用サイトの役割は、求人情報掲載のほか、企業文化や職場環境など、自社で働くことに対する魅力やメリットを伝えることです。新卒採用・中途採用など、候補者の条件に合わせて別のWebページを用意している企業もあります。
Webや紙などで募集する求人広告との共通点は、求人情報を発信することです。自社の採用サイトには、学生や求職者が興味を引くような独自のコンテンツや、まだ仕事をしたことがない人に向けて仕事の内容を分かりやすく発信することが求められます。
採用サイトには、時間や費用、手間をかけて作成する価値があるのかと考える方もいるでしょう。帝国データバンクの調査では、2024年10月時点で、正社員が不足していると感じる割合は、全業種で51.7%と過半数を占めました。また、厚生労働省の調査では、新規人材を「募集しても、応募がない」と回答した企業割合が60.9%と高水準を示しています。
このような現状を踏まえると、新規人材を確保したい企業にとって、適切な採用サイトの作成は不可欠です。ここでは採用サイトの必要性について解説します。
参考:人手不足に対する企業の動向調査(2024年10月)|帝国データバンク
参考:我が国を取り巻く人手不足等の現状(p.9)|厚生労働省
応募数の増加を狙うために、採用サイトは重要な役割を担っています。
求人広告では多くの学生や求職者に閲覧してもらえる一方、文字数が制限されたり、掲載できる情報が少なかったりするため、自社の利点を伝えきれない可能性があります。
自社の採用サイトは文字数や形態が制限されないため、自社の魅力を余すことなく伝えるための情報掲載が可能です。求職者に「応募したい」と感じてもらえる会社の特徴を数値化したり、社員インタビューなど独自のコンテンツを作成することで、応募数増加を目指せます。採用サイトとしての効果を高めるためには、一般的な募集要項のみならず、求職者が欲しいと考える情報を発信することが重要です。
企業と求職者のミスマッチを減少させるためにも、採用サイトは大いに役立ちます。
入社後に発覚するミスマッチは、早期退職の原因となります。採用活動は先行投資であり、採用活動や人材育成にかかる費用や手間などのコストを回収するためには、採用した人材に長く在職し活躍してもらうことが重要です。
働くイメージや働き甲斐など、現場のリアルな声や最新の状況を求職者に伝えられる点も、採用サイトのメリットといえます。早期退職を防ぎ、企業と求職者のマッチ度を限りなく高めるためにも、適切な情報を十分に提供できる採用サイトは不可欠な存在です。
ここでは、採用サイトの作り方、およびその手順についてご説明します。求職者への訴求効果が高い採用サイトを作成したい方は、ぜひ参考にしてください。
「採用サイトの目的」と「ペルソナ(採用したい人物像)」を具体的に設計します。
採用サイトを作る目的として、以下の例が挙げられます。
自社の課題を解決するための目的を明確にすることが大切です。
また、ペルソナの設計も重要です。採用基準(候補者の能力や考え方)がバラバラだと、企業の実現したいことができなくなるからです。従って、経営陣を始め採用に関わる部署の協力を仰ぎ設計する必要があります。
ペルソナは、以下に挙げる要素をもとに、できるだけ具体的な設計を行います。
ペルソナを設定したら、経営陣や現場社員に確認してもらい、作り上げたペルソナに沿った採用サイトを作成します。効果の高い採用サイト作成のためには、目的とペルソナの設定が不可欠です。
設定した目的やペルソナに合わせて、採用コンテンツとして載せたい情報をしっかり精査しましょう。
採用コンテンツによくある情報として、以下の項目が挙げられます。
これらの項目から、自社の採用サイトに必要なものを精査して掲載することが大切です。コンテンツの具体的な内容は、後述します。
サイトマップとは、自社採用サイトに掲載すべきコンテンツ(ページ)を整理・設計するための設計図です。求職者に必要な情報が過不足なく伝わるよう、自社の特徴や採用方針に基づき、必要なページを洗い出します。
具体的には、募集要項、企業理念、社員インタビュー、福利厚生紹介など、採用活動において伝えたい内容を明確にし、全体の構成を俯瞰できるようにします。これにより、見やすく使いやすいサイト制作の土台が整います。
採用サイトは、企業のイメージに合い、設定したペルソナに興味を持ってもらえるようなサイトデザインを作成します。
デザインに凝りすぎると、重くて見にくいサイトとなり、応募につながりにくいといえます。そのため、必要な情報にアクセスしやすいデザインにすることが大切です。パソコン以外に、スマートフォンで閲覧するケースも想定したデザインやレイアウトを意識する視点も重要です。
サイトデザインは、通常はサイトマップと同様にサイトの制作会社が提案・作成します。依頼主として、目的・ペルソナ・イメージを明確に伝えることで、理想のサイトデザインに近づけるでしょう。
現実的に自社でサイトを作成を行うケースは限りなく少ないでしょう。サイト制作においてもトレンドや制作技術が進化しているため、その点を抑えている制作会社に依頼することが一般的です。
制作会社に外注する場合は、採用サイトを作成する目的やペルソナのほか、盛り込みたい情報やイメージなど、具体的な要望を整理して伝えることが大切です。依頼した後も、制作会社と適宜コミュニケーションをとり、主体的に関わる姿勢を継続することで、理想の採用サイト完成が目指せます。
採用サイトを作る上で、適切な情報の精査は重要なポイントです。ここではコンテンツに盛り込みたい内容をご紹介します。
募集要項は、具体的な採用ポジション・仕事内容、基本条件となるため不可欠なコンテンツといえるでしょう。また、給与や就業場所、年間休日数、福利厚生など、人によっては選考を受けるうえで重要な選択肢にもなるため、具体的に記載をしてください。
工夫できる点として、採用スケジュールの記載を行うことをおすすめします。また採用ポジションによっては、カジュアル面談を可能にすることも検討してください。求職者にとって選考ハードルが低くなる点や、企業の理解度が高くなることで志望度が上がるケースもあります。少しでも良い求職者と接点を持つための仕掛けを募集要項に盛り込みましょう。
求職者目線の企業情報は、採用サイトに必ず掲載したいコンテンツです。
通常の会社概要に加え、会社の歴史や社風、社内の様子が分かる写真など、求職者に自社で働くイメージを与えてあげましょう。会社が目指す方向性(ミッション・ビジョン・事業戦略)について、具体的にどの様に取り組み、どのような人材が活躍しているかなど、コーポレートサイトでは伝えきれない部分を伝える必要があります。
代表者のメッセージや社員インタビューは、採用サイトと求人情報の大きな違いを出せるコンテンツといえます。
代表者からのメッセージは、求職者が自分に合う企業であるか否かを判断する重要な材料です。企業が目指す方向性、課題をクリアするために必要な資質やスキルなどを、代表の言葉で伝えてもらうことは、採用サイトで集客を行うのに大切です。
また、社員にインタビューを実施するのもおススメです。働き方のイメージをリアルに伝えられ、求職者と比較をしながら親近感を持ってもらいやすいコンテンツといえます。社員の声を紹介する際には、男性と女性双方の意見をバランス良く掲載することが大切です。加えて、社員の1日のスケジュールを紹介すると、求職者に働き方をよりイメージしてもらいやすくなるでしょう。
求職者からよく質問される内容を整理し、掲載することも有効です。よくある質問だけでなく、求職者が問い合わせや面接の場面で直接聞きにくい内容も掲載することがおすすめです。細かい疑問や不安が解消されることで、求職者が応募しやすくなったり、面接を効率よく進めることができるでしょう。
そのほかにも、オフィス内やオフィス近辺のおすすめスポット、男女比率の社内データなど、自社独自の情報を質問に回答する形式で情報提供することも、他社との差別化につながります。
採用サイトは、求職者の増加やミスマッチの減少に貢献し、自社に適した人材を採用するために有効なツールです。効果の高い採用サイトを制作するためには、採用サイトの目的を明確にし、ペルソナに向けた訴求力のあるコンテンツを精査することが求められます。人材難・採用難といわれる今だからこそ、適切な採用サイトの作り方や効果の高いコンテンツを知り、人材確保における課題解決に活かしましょう。
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